これからの採用面接の在り方 ~オンライン面接~

労働人口の減少やデジタル社会への転換、AIの進化など、社会構造は激しく変化しています。また、働く人の働き方に対する意識や価値観も大きな変化を遂げつつあり、そこに向き合わなければならない企業の採用戦略の在り方も問われ始めています。
そんな中、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、企業の採用活動にも大きな変化をもたらしています。このブログでは、採用活動の中でも面接の今後のあり方について、詳しくご説明していきたいと思います。

<目 次>
1.オンライン面接の導入状況
2.オンライン面接実施企業での感想
3.オンライン面接対応人材の反応
4.オンライン面接の最大のデメリット
5.まとめ


 

1.オンライン面接の導入状況

エン・ジャパンが5月27日から6月10日に既存顧客向けにインターネット上で実施した調査(935社対象)によると、新卒、中途、アルバイトなどの採用でオンライン面接を実施したことがある企業は26%。新型コロナウイルス感染拡大でテレワークやオンラインでの働き方が広がる中、面接での広がりは業種により差が生じているようです。

業種別で実施経験が最も多いのはやはり「IT(情報技術)・インターネット関連」で58%。「広告・出版・マスコミ関連」が43%、「コンサル関連」が33%と続く。
さらに、「不動産・建設関連」や「サービス関連」は実施経験が21%と低く、現場での作業が必要な建設業や店頭で働くサービス業など、現場での業務が求められる職種ではオンライン面接の実施率が低いようです。

オンライン面接の導入時期は「1~3カ月前」が66%で最も多く、新型コロナ拡大に伴う緊急事態宣言を契機にオンライン面接の導入が広がっています。

オンライン面接の導入理由で最も多かったのも「新型コロナウイルス感染拡大を受けて」で70%。「遠方に住む応募者に対応するため」が59%と続く。
オンライン面接の実施経験がある企業では、71%が「したい」「どちらかといえばしたい」と回答。一方で実施経験のない企業では、52%が「したくない」「どちらかといえばしたくない」と回答しており、オンライン面接は実施経験の有無で、企業の今後の導入意欲が二極化しています。

そんな中、オンライン面接を導入済み企業の導入理由の中に、「候補者の移動の時間や交通費を削減してもらうため」という意見もあり、これら声からは、企業側の「候補者に寄り添う姿勢」が見えてきます。
コロナ禍にある求職者全般、そして仕事の都合で休みが取りづらい求職者や介護や子育てなど家庭の事情で行動に制約がある求職者に対して、オンライン面接の導入により、距離、時間、コスト面で寄り添いたいと考える企業が増えているのが特徴的です。

さらに、リクルートキャリアが企業の採用担当者に向けて実施した調査によると、「オンライン面接導入率」と「中途採用充足状況」を比較したところ、ある一つの特徴が見えてきました。
2019年度の中途採用数について「計画を上回った」と回答した企業においては、すでに30.3%がオンライン面接を導入済みでした。一方、「計画を下回った」企業におけるオンライン導入済みの割合は14.3%にとどまっており、「計画を上回った」企業との差は実に16.0ポイントに上ることがわかりました。

この結果から、オンライン面接の導入により、求職者の時間や距離、コストに配慮することが自社の採用優位に繋がると判断できます。
当社に転職相談頂く求職者の方の中でも、Uターン転職の場合にオンライン面接を実施頂けないとなると、時間とコストを要すだけはでなく、コロナ禍にて県外への外出申請をお勤め先に提出する必要があるなどリスクが高く、結果的に応募辞退に繋がる可能性もあります。

アフターコロナ時代では、新しい働き方が一気に広がっていく中、採用活動のオンライン化が面接方法の常識となる日も近いように思います。

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2.オンライン面接実施企業での感想

これからオンライン面接の導入を検討される企業の方へのご参考として、日々接点を持たせて頂いている企業の中で、最終面接までオンラインで行った企業での社内の反応をご案内しますと、「実際やってみたら、意外と大丈夫だった」という声が多く聞かれたそうです。
「社内でも不安の声があったが、いざ実施してみると「意外にできた」という感想が多い」
「やってみたら対面で行うのと変わらないため、否定的な意見は無かった」
「候補者の表情が読み取りにくいため「対面でした方が良いのでは」という声があったが、選考を延期にも出来ずオンライン化に踏み切り、実際にオンラインでやってみると、表情が読み取りづらいと思う候補者は一定数いたものの、大半は問題なくできた」などです。

 

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3.オンライン面接対応人材の反応

一方、オンライン面接について、応募者の反応はどうだったかというと、大半は「オンラインで採用活動が再開した」点について好評だったようです。
また、実際に面接を受けられた応募者の反応としても、以下の様な意見が聞かれました。
「戸惑っている様子はあまりなく、応募者の方の順応性は年齢が若ければ若いほど高かった」
「遠方の応募者にとっては、時間確保や交通費の問題がないため好評だった」
「必要以上に緊張したり、上手くやり取りができず戸惑うような場面はなかった。大半の方がちゃんと受け答えをされていた」

これらから、我々が想定する以上に、企業側も応募者側もオンライン面接に対する抵抗感がなくなっている様に思います。コロナ禍で、オンライン会議やオンライン飲み会などが多く実施され、ビデオ通話のツールにも慣れてきた人が多く、そして何よりも利便性が高く、企業と応募者双方のメリットが大きいのです。
よって、オンライン面接は一過性のものではなく、今後も間違いなく面接手法として定着・普及してくものと思います。

 

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4.オンライン面接の最大のデメリット

圧倒的な利便性でこれ以降も面接手法のスタンダートなるであろうオンライン面接ですが、日々応募者の方々と接する中で、企業側というよりも、応募者側でオンラインであるからこそのデメリットがありそうです。
それは「会社や職場の雰囲気が分からない」ということです。
オンライン面接では、企業側から応募者側(個人)の理解はできるのですが、応募者側から企業側(組織)の理解(社内環境や風土、働く人など)はオンラインでは難しく、見たり聞くことで「知ること」は出来ても、「感じる」ためには対面での面接のほうが汲み取りやすく理解が深まります。
よって、企業側としては、是非、応募者側へオンラインか対面かどちらを望むか選択肢を提案してあげて頂きたいと思います。
また、コロナ収束後にオフィス訪問の機会を設けて頂いたり、役員や管理職クラスだけでなく通常よりも多くの社員面談(オンライン)の機会を提供するなどといった対応を実施頂くと良いかと思います。
 

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5.まとめ

何れにしても、コロナ禍では働き方や学校の授業、医療診療など様々な分野でのオンライン化が一気に加速しました。
今後もその流れは変わらず、オンライン対応は普及と定着が予想されます。企業と応募者の就職活動も例外ではなく、優秀な人材確保のためには求職者の意識や価値観の変化にも柔軟に対応していくことがこれからの採用戦略の在り方になろうかと思います。

 

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