UIJターン採用を成功させるためのノウハウ

近年、ワーキングスタイルやライフスタイルの多様化、介護問題、子育て環境の見直しなどを背景に、自分の生まれ故郷や、大都市以外で働きたいというUターン・Iターン・Jターン(以降UIJターン)での転職希望者が増加傾向にあります。
一方で、慢性的な人手不足の解消手段として、さらには、経験豊富で優秀な人材の採用方法として、地方企業がこういったUIJターンでの転職者をターゲットに採用活動を実施するケースも増えてまいりました。
そしてさらに、地域活性化に力を入れる地方自治体が行う県外在住者の移住への支援や様々な取り組みなどが後押しし、今や大都市圏で働く転職を希望する人にとって、UIJターンという選択肢はすっかりスタンダードなものとして定着しています。

しかし、いざUIJターン希望者をターゲットに採用活動を実施してみると、意外に難しいと感じる企業が少なくありません。通常の採用プロセスや条件では上手くいかないケースがあるのです。
そこで、当ブログでは、UIJターン希望者を対象にした採用活動において、課題となりやすいポイントや、UIJターン採用を成功させるためのノウハウをご案内いたします。

UIJターンとは
Uターン…地方で生まれ育った人が都市の企業に就職し、その後、生まれ育った故郷に転職すること。
Iターン…都心に生まれ育ち、都市の企業に就職した人が、その後地方の企業に転職すること。
Jターン…地方出身者が都市の企業に就職し、その後、生まれ育った故郷近くの地方大都市圏や中規模な都市の企業に転職すること。

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<目 次>
1.UIJターン採用がうまくいかない最大の理由は「条件面のミスマッチ」
 1-1.転勤なしであることを前提とする
 1-2.福利厚生面での配慮を行う
 1-3.優秀な人材には年収交渉の機会を与える、アッパーポジションでの採用を検討する
 1-4.フレックス勤務やリモートワークなど柔軟な働き方を可能にする
2.UIJターン採用の成功率を高める施策
 2-1.UIJターンならではの採用活動を行う
 2-2.入社後の条件提示は書面かつ説明する
 2-3.配属予定部署の責任者を採用プロセスに参加させる
 2-4.SkypeやWeb面談を活用。Face to Faceのやり取りを
3.まとめ


 

1.UIJターン採用がうまくいかない最大の理由は「条件面のミスマッチ」

もちろん、UIJターン採用でなくとも、中途採用の場合は条件面でミスマッチがあると採用に至りませんが、UIJターン希望の求職者は、通常の中途求職者の転職条件とは異なる就職観を持つ場合が多い傾向にあります。
UIJターン採用がうまくいかない場合には、経営者や人事担当者がUIJターン希望者の就職観や転職ニーズを適切に見極める必要があるかもしれません。

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1-1:転勤なしであることを前提とする

UIJターンを希望する求職者が転職活動において重視する条件は、「勤務地」であることが多い傾向にあります。それは「生活」に対する課題を解決するための転職であることが多いからです。

・地方に住み家族を近くで介護する必要が生じた。
・都会に比べて住環境の良い地方で子育てをしたい。
・通勤時間が短く、物価も安い地方で生活を充実させてたい。

転職目的が「仕事」そのものにあるだけでなく、地方で生活する事で「仕事」と「生活」のバランスを取ることを希望する場合が多いのです。
よって、転職後の土地に定着することを望む求職者にとって、会社都合での転勤は好みません。

対策としては、転勤ありの職種とは別に、転勤なしのエリア限定職などを設けるなどキャリア区分を設定することも必要となります。直ぐにはこうした制度の見直しが難しい場合でも、求職者に当面の間「転勤がない」ことを確約する趣旨の説明や書面での通知を行うことが大切です。
せっかく地域に根差して生活をスタートさせたいと考えているのに、直ぐに転勤させられるような条件ですと、安心して入社する事はできません。

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1-2 福利厚生面での配慮を行う

UIJターン希望者の悩みの1つに「就職後の生活基盤」への不安があります。物価水準の下がる地方への移住となると、給与水準が下がることはもちろん、遠方の慣れない環境へ適応するため、引越費用や新生活での支出によって、移住当初はどうしても経済的な負担がかかります。
可能であれば、「借り上げ社宅」や「社員寮」を提供したり、引越費用の一部を会社で負担する制度を設けるなどの検討もしたいところです。
福利厚生面でより一歩踏み込んだ配慮が、UIJターン希望者の入社を決意させる決め手になることも少なくはありません。

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1-3 優秀な人材には年収交渉の機会を与える、アッパーポジションでの採用を検討する

UIJターン希望者が最も悩むポイントが、転職後の給与水準です。
地方への移住を希望するわけですから、求職者の意識の中でも、物価水準に併せて、ある程度給与額が低下することを認識している方も増えています。
しかしながら、下がり幅に対しての認識が薄い方も多く存在します。

例えば、東京都から当社が拠点を構えるここ広島県へのUIJターンの場合、東京都の平均年収612万円に対して広島県の平均年収は451.2万円。転職機会の多い30代・40代においては、東京都30代平均年収554万円に対して広島県30代平均年収433.6万円、東京都40代平均年収717万円に対して広島県40代平均年収517.4万円と、平均年収でみると100~200万円もの年収差があることを認識している方は少ないのが現状です。

特に、優秀な人材の場合には、大都市圏で受け取っていた年収と地方企業での提示額に大きな開きがある場合も多く、これまで通り地方水準の規定通りの金額を提示していたのでは優秀な人材の採用には至りません。
「これは!」と感じた求職者に対しては年収交渉の機会を与えることが大切です。

また、既に存在する人事制度や在籍する従業員の手前特別な待遇が難しい場合には、アッパーポジションでの採用を検討してみてください。
「後継者候補」であったり「二代目の番頭となりえる人材」であったり「事業ビジョンを実現するための人材」など会社の将来を見据えたアッパーポジション求人は、まさにUIJターン希望の優秀な人材にはぴったりの求人です。

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1-4 フレックス勤務やリモートワークなど柔軟な働き方を可能にする

UIJターン希望者は、介護や子育てなどの生活面での課題を抱えていることが多いため、より先進的で柔軟な働きの支援ができる社内体制を整えることで、UIJターン採用市場での自社の競争力は飛躍的に高まります。

例えば、始業や就業時間を自分で自由に決めることができる「フレックスタイム制」や、急な生活トラブルにも柔軟に対応できる「リモートワーク制度」、さらには転職後の給与面での落ち込みを自助努力によってカバーできる「副業許可」など、いち早くUIJターン希望者へ提案できる環境を整えておくことも大切です。

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2.UIJターン採用の成功率を高める施策

UIJターン希望者に気づいてもらって興味を引くためには、採用プロセスにも一工夫入れる必要があります。カギとなるポイントは、「知ってもらうこと」と「フォローアップ」です。UIJターン採用に特化した採用方法や選考体制を整えることで、求職者に興味を持ってもらい、安心して入社してもらえるようになるのです。
具体的には、以下の様な施策を打ってみることをおすすめします。

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2-1:UIJターンならではの採用活動を行う

先ずは、UIJターン希望者のニーズに特化した会社説明資料と求人票を用意しましょう。
また、自社ホームページに、時間や場所の制約なく情報収集できるUIJターン向け専用の採用ページを設けることも効果的です。
さらに、地域活性に力を入れている地方自治体であれば、定期的に都市圏の就業者をターゲットとした会社説明会や移住フェアを実施していたり、Web上で専用ホームページを設けていたり、都市圏にUIJターン希望者向けの相談窓口を常設していたりするため、それらを活用することもおすすめします。

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2-2 入社後の条件提示は書面かつ説明する

UIJターン希望者の関心事は、移住後の生活です。
通常の中途採用の場合にももちろん書面での提示を行う必要がありますが、特に生活に関連する項目等を充実させ、給与・勤務条件・福利厚生・大都市圏との給与格差・転勤有無などは「書面」で提示し、求職者の不安や疑問が払拭されるようきちんと説明を行うことが大切です。

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2-3 配属予定部署の責任者を採用プロセスに参加させる

配属予定部署の責任者を選考の早い段階から求職者と引き合わせることで、求職者に安心感を与えることができます。

UIJターン採用の場合、生活基盤に大きな変化を伴う転職となるため、入社後の職場環境における世話役が採用プロセスの初期段階から顔をむせることによって、職場環境面での不安をいち早く払拭できます。
また、関係性が深まれば、職場以外の生活面での相談もしやすくなるため、求職者の変化や不安を一緒に解決する事も可能となります。
また、社内にUIJターン経験者が在籍している場合、UIJターン希望者が体験談を聞ける機会を設けることも有効です。

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2-4 SkypeやWeb面談を活用。Face to Faceのやり取りを

遠隔地での採用のため、採用面接や内定後のフォローなど、求職者とのコミュニケーションがどうしても文書ベースでのやり取りになりがちです。
直接会って会話することが難しい場合でも、極力SkypeやTV会議システムを活用するなど、画面越しではありますがFace to Faceでのやり取りにこだわるようにしましょう。顔を併せて会話する事は、求職者との信頼関係構築には欠かせません。

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3.まとめ

UIJターン採用を行う際は、通常の中途採用でのアプローチにUIJターン希望者向けのノウハウを加えることが大切になります。
内定者の方が、入社後安心して就業できるよう、最大限に配慮した会社制度を整備しながら、UIJターン希望者をキャッチアップし、採用プロセスでのフォローアップを欠かさないようにすることで、優秀な人材を採用できるようになると思います。

当ブログを参考に可能なところから工夫して頂き、より良いUIJターン採用が実現できますと幸いです。

 

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