問題解決力を向上させる方法

ビジネスには、些細なことから大きなことに至るまで、多くの問題が存在しています。それらの問題を解決するには、論理的思考(ロジカル・シンキング)を用いて、「問題を探し」「原因を分析し」「対策を立案し、解決する」プロセスを踏むことが重要です。
問題解決の基盤となる論理的思考を身に付け、発見・設定した問題や課題について、構造を明確にして原因や対策を導く一連の方法を習得することが重要です。

<目 次>
1.問題とは何か
1-1.問題の定義
1-2.問題の分類
1-3.問題解決に対する人間の4つのタイプ
2.組織力強化と問題解決力
2-1.組織力強化とは
2-2.問題解決力とは
2-3.問題発見力を高めるために
2-4.問題への感度を高めるために
3.問題発見・解決の技法
3-1.問題解決の手順
3-2.発散技法
3-3.収束技法
4.問題解決とコンセプチュアル・スキル
4-1.3つの技能


 

1.問題とは何か

1-1:問題の定義

問題解決活動を展開していくために、まず、私達のとらえる問題とは何かということについて明らかにしておきましょう。
問題- 日頃何気なく使っている言葉ですが、改まって「問題とは何か」と問いかけてみると、なかなか即答できません。
簡単に言うと、問題とは、「解決すべき事柄」のことです。
もう少し丁寧に言いますと、問題とは、「あるべき状態や目標と現状との差(ギャップ)のことで、その人にとって、あるいは所属する組織にとって解決しなければならない事柄」となります。

1-2 問題の分類

■問題の出し方による分類

(1)日常ぶつかった問題
これは日常の仕事をやっている最中に生じた問題で、「商品の破損」とか「商品の発注ミスによる納期遅延の発生」などがそれです。

(2)与えられた問題
これは上司や他部門から指示されたり、依頼された問題です。
「現在の粗利益率をさらに1%アップさせよ」とか「ある商品の販売数量を20%アップしてほしい」というのがそれです。

(3)創り出した問題
現状はともかくうまくいっているが、「これでいいのか」、「もっと向上すべきではないのか」といった疑問を発することから、積極的に問題を掘り起こし、新しく創り出した問題のことです。
「お客様からの問い合せ対応を現状の半分の待ち時間にする」とか、「業界の先進情報を共有化し、顧客への提案活動を充実させる」、「在庫点数の絞込みおよび代替品化により在庫高及び在庫コストを削減する」などです。

■原因と対策の判明度による分類

もう少し別の角度から“問題”の分類を行ってみましょう。それは、原因と対策の難易度による分類です。

(1)簡単な問題(パターンC)
パターンCの問題は、原因が簡単であり、取りうる対策の内容が分かっているといった問題です。
この問題は、これまでの知識、経験、技術などをもとに知恵を絞り出すことによって、問題の解決が図れるケースです。
たとえば、「伝票の記入ミスが多いので、記入事例チェック表をつくり、これによって確認チェックする」、「液温の管理ができていないので、温度計を配置し、これにより調節する」などです。

(2)高度な技術を要する問題(パターンB)
職場の現状から原因はつかめているが、対策は分かっていない問題です。
たとえば、「新しく競合が進出してきたため、売上高が減少した」、「低価格競争に巻き込まれ、今までの見積価格での失注が目だってきた」などです。
この問題については、一般に高度な判断や対策を要する場合が多いので、上司やスタッフの力を借りないと解決できない場合が多いといえます。
パターンC・Bについて注意を要することは、原因がわかっているというものの、原因と思い込んでいたことが、意外に真の原因でないという場合があることです。
従って、その原因が真の原因であるかどうかを、色々な角度から確かめてみることが重要です。

(3)対策はわかっているが注意を要する問題(パターンD)
この場合は、原因は分からないが、対策の方法がわかっている問題です。
この問題は注意しなければなりません。原因が分かっていないまま対策を打つということは、現象に対して対策を打つということになるので、根本原因の退治にはならないことが多いのです。
たとえば、「顧客からの品質不良のクレームが発生したので、出荷時の品質チェック工程を追加して不良品の事前発見ができるようにした」などということがあります。
この場合は、本当の不良品の発生原因はつかまれておらず、根本的な再発防止対策は打たれていないということになります。

(4)挑戦してほしい問題(パターンA)
原因も対策も不明で、本当に難しい問題です。
この種の問題こそ職場のリーダーである皆さんに取り上げてもらい、挑戦して欲しいのです。
たとえば、「重点商品の粗利益率の向上」、「低迷している主要得意先の業績回復」、「ピッキング時間の低減」、「ムダ・ムラ・ムリの排除による販売活動の効率化」などです。
この問題は、問題解決の手順に従って、グループの力を発揮していかないと問題の解決は出来ません。
問題解決の結果、得られる効果はそれだけ大きいし、問題解決能力の向上を図っていくのに最適な問題です。

 

1-3 問題解決に対する人間の4つのタイプ

■タイプ1:自滅アキラメ型人間

問題にぶつかるたびに、自分には能力も自信もないのでダメと思い込み、逃げ腰でぶつかり、ちょっとした失敗に対してもいつまでもクヨクヨ思い悩み、問題解決が不能に至ると自らの無能にすべてを帰するタイプです。
何を見ても「できない」「不可能だ」と考え、自分自身がダメな人間だと思えば、必ずダメになるのではないでしょうか。
アメリカの経営学者ドラッカーは、
「いまだかつて失敗したことのない人は、何もしたことのない人である」
といっていますが、何もしないことが最大の失敗ではないでしょうか。
自滅アキラメ型を脱するには、まず行動してみることです。物事を悲観的に見ず、失敗を恐れず、問題にぶち当たっていくのです。問題と対決し、1つの壁を乗り越えた時に、1つの光が見えてきます。

■タイプ2:他責ガヤガヤ型人間

このタイプは、自らを反省することなく、他人を責め、何でもかんでも相手や他部門が悪いと決め込んでしまうタイプです。
問題があっても自分の問題として取り上げないし、問題の解決に当っても傍観者の立場に立って自ら手を下そうとしません。
自分のことは棚にあげ、同僚が悪い、上司が悪い、他部門の問題だと、すべての責を他に転じてしまい、外野席からワイワイガヤガヤ雑音ばかりを並び立てているタイプの人です。
他責ガヤガヤ型は、この世の中が許されないのです。少しひどい言葉ですが、卑怯者ともいえます。
問題は、問題に気づいた人が取り上げ、自らが主体性を発揮して解決に向わないと問題の解決を図ることは出来ません。他に責任を転嫁してしまうようなやり方では、真の問題解決は出来ません。
他責ガヤガヤ型の人は、自らを火中に投じて、主体性を持って動いてみるのです。
他人の問題と思っていたことが自らの力で解決でき、びっくりするとともに、自分の力で解決できたことのすばらしい喜びを味わうことが出来ます。

■タイプ3:現状肯定ヨイヨイ型人間

最も多いタイプです。いつも現状が一番よいと思って、決められたことは決められた通りにはやるが、決して現状を打破し、現状を改善しようとはしないタイプの人です。
世の中が平穏で変化の少ない時には、けっこうこれでもやれるのですが、今日のように変化の激しい時代ではあまり役立ちません。じっと待っているだけ、現状を維持しているだけでは、いつかは尻すぼみになってしまうのです。これでは、売上は上がりませんし、利益も向上しません。
このタイプの人に要求されるのは、「問題はどこにでもある、この問題を見つけて改善していこう」という意識、すなわち問題意識と改善意識を高めることです。

■タイプ4:問題解決型人間

この第4のタイプは、常に目標を持って行動し、自ら問題を生み出し、問題に対しては困難をものともせず積極果敢に取り組み、柔軟な考え方で解決策を生み出し、解決に努力する人です。
世界一の鉄鋼王といわれたカーネギーは、
「どんな職業でもよいから、常にその第一人者になるよう最善の努力を尽くすことが大切です。私は12歳で紡績工場の糸巻き工に雇われました。そのときに、世界一の糸巻き工になろうと努力しました。次になったのは電報配達夫でしたが、このときもやはり世界一の電報配達夫になろうとがんばりました。私はどんな仕事たずさわっても、この心がけでつとめあげました。これを重ねているうちに、いつのまにか現在の自分になっていました。」
と述べています。問題解決型の人間は、自分の目標を持っています。目標 は自分の能力よりもやや高いところに置き、その解決に燃えます。熱意は問題解決のエンジンとなって駆動します。問題の解決に全力を傾注して努力すれば、やがて問題は排除されます。
1つの問題解決は本人の自信を生み、その過程で問題解決のやり方が身についてきます。そしてその次には、前の問題よりもう少し困難な、そして少し高い目標を掲げて取り組みます。
こうして、次々により高い、より難しい問題に挑戦する中で、経験は次第に豊かになり、技術は磨かれ、問題解決のやり方が上手くなり、問題解決能力が向上していきます。

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2.組織力強化と問題解決力

2-1:組織力強化とは

組織力強化とは“問題解決の行為”です。
組織強化とは、組織に関わる諸事象の中から問題を見出し、それを解決することであります。

 

2-2:問題解決力とは

問題解決力とは すなわち問題発見力であります。
問題解決においては、問題を発見し、その問題の構造を明らかにすること、すなわち、問題の原因と結果の体系を整理することが、まず何よりも重要です。

 

2-3:問題発見力を高めるために

問題を発見し、解決していくプロセスには3つの段階があります。

第1段階:いかにも順調にいっているように見える現状において問題を感じ取る。
第2段階:その問題を発生させている、つまりその問題を解決する鍵になる本質的な問題点を見出す。
第3段階:その本質的な問題点の解決方法を考え出す。

 

2-4:問題への感度を高めるために

「あるとき突然、問題が解ける」という状態が起るようにするには、常に『問題意識』を持つことが必要です。
常に問題を強く意識して生活していると、生活のあらゆるものが問題解決のヒントになります。

~このような状態を実現するための姿勢・意識の持ち方~

(1)批判よりも代替案を出す
・批判ばかりして、自分で代替案を考えようとしてしない人は、本気でその問題を解決しようと考えていない人です。
・正しい批判とは、相手すなわち批判の対象から受け入れるべきものはキチンと受け入れ、正当に評価した上で相手を批判するときに必ず代替案を出すというルールを守った行動であると言えます。

(2)できない理由を探すよりもできる方法を考える
・初めから「できない」と思っている人に、問題の解決方法を見つけることはできません。
・「~だからできない」という“マイナス思考型”をとるのではなく、「~したい」という“プラス思考型”の思考パターンをとることが大切です。
・障害にぶつかった時に、それを出来ない理由にするのではなく、意識的に障害が大きいほど手応えがあり、やり甲斐があるのだと考えるようにします。

 

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3.問題発見・解決の技法

3-1:問題解決の手順

スポーツや勝負ごとには、型とか定石とか基本というものがあります。しかし、この型や定石を完全に身につけていなくても、スポーツに参加したり、ゲームを楽しんだりすることはできます。とはいえ、有段者やゴルフのシングルを目標とするのであれば、基本を十分修得する必要があるでしょう。
あなたの職場にも、「基本をマスターしないで自己流のフォームを身につけてしまったため、一向にゴルフのハイディーが上がらない」といって嘆いている人がおられるでしょう。
会社には、問題解決に強い人が少なからずいるものですが、その人の動きを追ってみると、基本に忠実であるということに気づきます。
問題解決の基本-それは“問題解決の手順”にあります。

“問題解決の手順”とは
「問題を合理的、効率的、効果的に解決するための踏むべき手順のことです。
この手順に従って問題に取り組めば、困難な問題に対しても、誰がやっても、どのグループでも、合理的・科学的に解決が出来るという問題解決の定石」のことをいいます。

問題解決の手順は“改善の手順”と呼ばれることもあります。
より上手に、よりマトを射た効果的な改善を効率的に実施しようとすれば、型を知っておく必要があります。それが、“問題解決の手順”です。
問題解決能力を高めるコツは、“問題解決の手順”を知り、これに従って活動することであるともいえます。

《問題解決の手順》

NO. 基本ステップ 実施事項
手順1 テーマの選定 ・問題点をつかむ
・テーマを決める
手順2 現状の把握と目標の設定 現状の把握
・事実を集める
・ターゲット(対象)を決める
目標の設定
・目標(目標値と期限)を決める
手順3 要因の解析 ・ターゲットの現状を調べる
・要因をあげる
・要因を解析する
・対策項目を決める
手順4 対策の検討と実施 対策の検討
・対策のアイデアを出す
・対策の具体化を検討する
活動計画の作成
・実施事項を決める
・日程、役割分担などを決める
対策の実施
・計画に沿って対策を実施する
手順5 効果の確認 ・対策結果を確認する
・目標値と比較する
・成果(有形・無形)をつかむ
手順6 標準化と管理の定着 標準化
・標準を制定、改訂する
・管理の方法を決める
管理の定着
・関係者に周知徹底する
・担当者を教育する
・維持されていることを確認する

 

3-2:発散技法(発散思考を用いて、事実やアイディアを出すための技法)

~ブレーンストーミング~
(1)メンバーは5~7人程度(多すぎてはだめ)
(2)リーダーは基本原則を十分理解して、誘導(量が質を生む)
・批判禁止(他のメンバーの意見に対して批判的な評価をしない)
・自由奔放(根拠が無くても構わないので自由に発想する)
・質より量(数を多く出すことを目的とする)
・組み合わせ改善(他人の案に追加したり、極端化したりする)
(3)事前にテーマと参考資料を提供(テーマは具体的に)
(4)オズボーンのチェックリスト
・他の使い方はないか(そのままで新しい用途は、改造して他の使い道は)
・応用はできないか(何か似た物はないか、何かの真似は)
・部分的に変えたら(意味、色、動き、音、匂い、様式、型を変化させる)
・大きくしたら(追加、時間を、頻度、強度、高さ、長さ、価値、材料、、複製)
・小さくしたら(減らす、小さく、濃縮、低く、短く、軽く、省略、分割、内輪)
・代用できないか(人を、物を、材料を、製法を、動力を、場所を)
・組み直したら(要素を、型を、レイアウトを、順序を、因果を、ペースを)
・逆にしたら(反転、前後転、上下転、左右転、役割転換、靴の左右を変える)
・組み合せたら(ブレンド、合金、ユニットを、目的を、主張を、アイディアを)

≪着想の定石≫

項目 ポイント
1.排除 それをやめてしまったらどうか 牛乳ビン→紙容器に替える
(回収の排除)
2.正と反 それを反対したら 献血車がくる…人がいく→モノがくる(やり方が反対)
3.正常と例外 それは異常なのか、いつも起こるか タイムカード廃止~遅刻・残業だけ管理(異常だけ処理)
4.定数と変数 変わるものだけ例外処理したら 食堂のメニュー…定食とアラカルト
(例外処理の工夫)
5.拡大と縮小 大きくしたら、小さくしたら ポータブルテレビ、カセットテレコ(縮小・運搬が容易)
6.結合と分散 それを結んだら、それを分けたら トンカチと釘抜きの一体化(機能の結合)
7.集約と分離 まとめてみる、分割してみる 留守番電話機、貯蔵用トレーラー(集約化)
8.付加と削除 つけ加えてみる、取り去る ホーキ・ハタキ・チリトリ→電気掃除機(機能の集約)
9.順序の入替 組み立て直したら、作業手順を入れ替えてみる 毛筆の横書きは→手ズレを起さない(発想の転換)
10.共通の差異 違った点を生かしてみたら ボルトの色や形を変える→フール・プルーフ(違いを強調)
11.充足と代替 他のものに使えるか、他のものに替えたら 古傘の骨→洗濯モノ干シ(廃材の活用)
12.平行と直列 同時にやったら、次々やったら ブラインドの掃除→熊手ブラシで一挙に(作業の並列化)

 

3-3:収束技法(発散思考で出した事実やアイディアをまとめ上げる技法)

(1)KJ法
KJ法は、文化人類学者・川喜田二郎氏が、ネパール・ヒマラヤの探検など、多年にわたる野外調査の実践から産み出された、いわば「野外科学」「現場の科学」の方法です。
現実の問題を解決するときには、仮説を検証することが求められますが、実際に問題となってくるのは仮説をどう思いつくかということです。
KJ法は、こうした問題に対処するために新しく産み出された「現場の科学」の方法なのです。

(2)特性要因図
特性とは現在見えている結果のことを指し、要因とはその結果をもたらすのに影響を与えた要素のことです。
特性要因図は、結果である特性がどのようにしてもたらされたかを図式化して、そこに潜んでいる問題点をあぶり出すのに用いられる手法のことです。

特性要因図の歴史は古く、1953年に東京大学の教授を務めていた石川肇氏が考案したのが始まりとされています。
実際の特性要因図を見ると分かるのですが、魚の骨にとてもよく似た形をしているため、フィッシュボーン(魚の骨)図、フィッシュボーンチャートなどと呼ばれることもあります。
特性に対する原因究明に困ったら図に書き出してみるのが一番ですが、その時に活躍するのが特性要因図です。

(3)ロジックツリー(限られた時間の中で、広がりと深さを押さえる)
・モレやダブりを未然にチェックできる。
・原因、解決策を具体的に落とし込める。
・各内容の因果関係を明らかにできる。

(1)原因の追求

・営業マンの生産性低下の原因を追求する。

(2)解決策の具体化
・解決策の要件(的を外さない、アクションに結びつく具体性)

・営業マンの生産性低下に対する解決策を具体化する。

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4.問題解決とコンセプチュアル・スキル

4-1:問題への感度を高めるために
ロバート・カッツは、かつて『HBR』誌において、管理者には基本的に3つの技能が必要であると述べています。
それらは、次のような技能です。

1.仕事を扱う技能(technical skill)
2.人間を扱う技能(human skill)
3.概念を扱う技能(conceptual skill)

第1のテクニカル・スキルですが、私たちが入社して配属が決まると、最初にこの技能を習得させられるわけです。
要するに、仕事を覚えるということです。
例えば、営業マンは取り扱い商品の知識を学び、顧客心理や販売技術などの販売業務をOJTや実践を通じて身につけてゆくでしょう。
そして、同じ職務を長年担当すれば、その分野でのスペシャリストになれるでしょう。
専門分野での知識と経験が身についてその人の技能に磨きがかかり、専門職務に関する問題であれば、何でもこなせる状態になるでしょう。

第2のヒューマン・スキルは、対人関係の技能です。
一課員のときは仕事の虫で通せるわけですが、管理監督的立場やチームリーダー的な立場におかれると、必要となるのがこの技能です。
組織の中での仕事は、当然いろいろな人とのつながりでなされるので、人を上手に扱い、協力を引き出すことが出来なければ、よい仕事もできないわけです。
マイペース主義、スタンドプレー型では、他者の協力を得ることは難しいでしょう。
他者の立場や欲求を理解しうるだけの感受性や受容性が要求されます。これは組織の中でもまれ、さまざまな出来事を経験して身につけてゆく技能です。
人間関係の問題を扱う技能は、管理職についた段階で、特に必要となります。

さて、第3のコンセプチュアル・スキルは、従来あまり重視されなかった技能ですが、いちばん大事な技能であるといえるでしょう。
概念というのは妊娠とつながりがあります。すなわち、頭の中にはらんだものがコンセプトです。
つまり、この技能は物事を認知、認識する能力を意味します。概念化するということは、物事の本質をつかまえ、これを言葉で表すことです。
抽象化の能力であるといってもいいでしょう。問題発見や問題形成において不可欠な能力です。
問題というのは、その人が問題だと思わなければ、その人にとっては存在しないも同然です。同じ現象や事実に接しても、物事の本質を見抜く能力のない人にとっては、問題は見えてこないでしょう。
特に企業活動に関する問題は、目に見えない構造の問題が多いわけですから、この概念化、抽象化の技能は大きな価値もっています。
従って、コンセプチュアル・スキルは「問題を扱う技能」と言い替えることも可能です。

問題解決能力が高い = 仕事ができる!

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