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譲渡企業のM&A成功へのポイント

企業の発展と存続のため、経営者が直面する大きな決断のひとつに事業承継が挙げられます。
では、中小企業が事業承継を成功させるためにはどのような準備や留意点が必要なのでしょうか。
今回は20年近くM&A仲介サービスに携わってきた当社会長 河野を取材致しました。
第三者へ自社を承継する=M&Aに対して不安を感じる経営者の方にとっても、選択肢のひとつとしてM&Aについて知見を深めていただく機会になると幸いです。
 

事業承継=継ぐということ(生かすこと)=良い会社にすること
M&Aの要は仲介業者の情報量と首尾一貫の秘密保持
M&Aにおけるトップ会談=お見合い
事業承継は「早期の準備」と「決断のタイミング」

事業承継=継ぐということ(生かすこと)=良い会社にすること

Q 事業承継を考え始めるきっかけとして多い事由は何でしょうか?

経営者の高齢化による体力の低下や疾病による健康不安、事業の先行き不安(競争の激化)などをきっかけに事業承継を考え始めるケースが大半を占めています。
実際に、中小企業において後継者がいない中小企業は約65%だと言われており、経営者の平均年齢が上昇していることから、事業承継を検討している(あるいは企業を売却したい)と考える経営者は増加傾向にあると言えるでしょう。
 
 
Q 事業承継を考えるベストなタイミングはいつだと思われますか?

遅くとも経営者が60歳になったら考え始め、65歳頃には実際の動きについて決断することがベストだと考えます。
事業承継の方法としてM&Aを選択した場合最低1年は要するため、少しでも会社の経営状況や経営者の健康状態などに不安がある場合は、企業価値が高いうちにご決断されるよう助言させていただいております。
 
 
Q 事業承継の選択肢について、それぞれ考えられる問題点などはありますか?

まず、親族内承継の場合、社内外から心情的に受け入れられやすい一方で、経営能力や相続税の納税資金の問題、株式の譲渡の問題があります。
実際にご子息に事業承継をするか悩まれていた経営者の方には、ご子息の人生を左右する決断となり、承継させることがご本人の幸せにつながるかどうかを判断の基準とされることを助言させていただいております。
続いて、社員や役員への事業承継の場合、親族内に適任者が居ないケースでも候補者を確保しやすいメリットがあります。
しかしながら、経営者としての適性の他、株式の時価での譲渡問題や担保力、個人債務保証の問題などを解決する必要があり、非常に難しい選択だと思われます。
また、第三者による承継(M&A)の場合、身近に事業承継の適任候補が不在の場合でも、適切な後継者により企業の存続を実現することができます。
また、経営者のハッピーリタイアメントや利潤の確保、資本参加による経営の安定を図ることができるなどのメリットがあると言えます。
一方で希望要件(売却額や従業員の雇用など)を満たす売却先を見つけることは情報・時間・労力を要すため、M&A専門家への依頼が必要となります。

 

M&Aの要は仲介業者の情報量と首尾一貫の秘密保持

Q M&Aを決断した場合、準備として必要なことは何がありますか?

積極的にM&A仲介業者などが開催しているセミナーに参加し、情報収集をされることをお勧めします。
仲介業者ごとに異なる提案力や業者ごとの強みや過去の実績などを捉えることが重要です。
一般的な仲介企業であれば、譲受候補企業は少なくとも40~50社程度上がってくると推測されるため、この数値を提案力や情報量の目安のひとつとすることができます。
 
 
Q M&A仲介業者と折衝する際に気を付ける点などはありますか?

経営者としての譲渡希望条件や譲渡後のビジョン(想い)を明確に伝えることが重要です。
「譲渡金額」「従業員の雇用確保「将来のビジョン」などが例として挙げられます。
実際のケースとして、とある歴代続く飲食店の場合、「伝統の味を残したい」「同業者は避けて欲しい」「従業員の継続雇用」などのご要望がありました。
併せて気を付けておきたい点として、M&Aの候補先(譲受先候補)を事前に明確に提示してもらうよう依頼しましょう。
M&Aにおいて秘密保持は鉄則です。いかに秘密を守り、情報の漏洩を未然に防ぐか、ということです。
自社の情報がどの企業に持ち込まれているのか、状況を把握できるよう事前に仲介業者に情報開示を求めることも重要です。

 

M&Aにおけるトップ会談=お見合い

Q 譲渡企業と譲受企業のマッチングが進み、各企業のトップ(経営者)同士が会談を行う際のポイントなどあれば教えてください。

言うまでもありませんがM&Aはマッチングが全てです。
最高のお相手に巡り合うために明確に要望を伝え、経営者同士互いを知る必要があります。
最高のマッチングとは、M&Aを行うことで
(1)事業にシナジー効果がある
(2)企業・従業員を大切にしてくれる
(3)高い価値での評価をしてもらえる
ことだと言えるでしょう。
そのためには、トップ会談の際には、お互いの経営についての考え方や譲渡理由を実直に伝えること、またM&A後のビジョンなどを確認することが必要です。
人と人とのお見合いと同様に、釣書(企業概要)の内容だけではなく実際に顔を合わせて互いについて理解を深めることで、将来を共にする相手としてふさわしいかどうかを見極めるための機会と言えます。

 

事業承継は「早期の準備」と「決断のタイミング」

Q 失敗しないM&Aを行うために抑えておくべきポイントを教えてください。

信用力があり、且つ実績の上がっているM&A仲介業者に依頼することが重要です。
譲渡企業の現状を正確に把握し、経営者と企業の将来へのビジョンを共に描くことのできる仲介業者を選定しましょう。
先にも述べましたが、事業承継には労力と時間を要します。
経営者としてご自身の引退後も「将来的に企業をよりよくしていくためにはどうすべきか」。この問いに早い段階で向き合われることをお勧めします。
事業承継についてお考えがあり、経営者の方がお元気で企業の経営内容が良い状況にあるのであれば、決断のタイミングは「今」だと言えます。
1年後、状況がどう変化しているか。仮に経営者の健康不安があるようであれば、企業の存続に大きな影響を及ぼしますし、企業を取り巻く環境や業界の景況の変化は計り知れません。
準備に入念にされるのであれば逆算して決断すべき時期を見極める必要があります。

 
 

最後に
事業承継について考える経営者にとって、どの選択肢が企業の将来にとって最善かを客観的な意見を交えて検討することは、ベストアンサーへの近道になり得るかもしれません。
今回はM&Aにおいて譲渡する企業側(売り手)からの視点でお送りしました。
次回は譲受する企業側(買い手)の成功へのポイントについて取材した内容をお送りする予定です。
M&Aについてご関心のある経営者の方の検討材料としていただければ幸いです。

 (インタビュワー:佐藤)


共栄経営センターでは、いち早く事業承継問題に取り組み、数多くのM&A仲介実施を積んでまいりました。
定期的に最新の事例を交えて、経営者のための事業承継セミナー「成功するM&Aの進め方」を開催いたしております。
当セミナーでは、「譲渡をご検討の企業様」「譲受をご検討の企業様」それぞれのM&A成功のポイントをお伝えいたします。
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