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バランス・スコアカードは使えますね! 05/06/15
「バランス・スコアカードは使えますね!」 これは、今年度から経営計画にバランス・スコアカードを取り入れた、ある会社の社長がおっしゃった言葉である。
この会社では長年、中期経営計画を3年ごとにローリングし、この間着々と成長を果たしてきた企業である。しかし、長年使いこなしてきた手法も時が経つと、マンネリに陥ってしまうのは世の常である。経営計画に掲げる改革目標も、数年来同じテーマが続いているものも多く、何とかスピード感のある計画にしたいと頭を悩ませておられたのである。
そのような折、次年度の経営計画策定の時期が迫り、その打合せを行った際、偶然にも社長と担当コンサルタント(私)が言ったのは、「来年度の経営計画にバランス・スコアカードを取り入れよう」 であった。社長もどこかの経営セミナーでバランス・スコアカードを学んで来られたらしく、内容を聞いて直ぐに「これだ!」と思われたらしい。冒頭の言葉は、それから5ヶ月後の新年度に入って四半期を経過した頃のことである。
既にご存知のように、バランス・スコアカードとは、ビジョンや戦略を効果的に実践するために、4つの視点(財務、顧客、業務プロセス、学習と成長)でバランスよく目標を定め、それを定量評価(可視化)して経営管理を行う戦略推進ツールである。
社長によると、特に、バランス・スコアカードの持つ次のことが効果を発揮したようである。
●戦略マップ
ビジョンを実現するために経営戦略をどのように組み立てるか。バランス・スコアカードでは、先に示した4つの視点で戦略を体系化し、分かりやすい図解に表す。これを戦略マップと呼んでいる。経営レベルでの戦略マップ、部門レベルでの戦略マップ、社長を始め各管理者が各々のマップを書きながら、戦略の調整・意見交換を行う。これが良いのである。今まで分かっていたつもりでいたこと、分かってくれていると思っていたことが、この協議を通じて認識がバラバラであったことが露呈される。それが良かった。ここ数年、掛け声を挙げながらもなかなか実現できなかったことが、始めて分かった。要は理解されていなかったからだ。これで打つ手が鮮明になり、改革目標に対する士気が盛り上がってくる。
●業績評価指標
4つの視点で掲げた戦略目標の内、財務目標以外は定性目標として示されることが多く、実行段階ではともすると掛け声だけのスローガンで終始してしまいがちになる。バランス・スコアカードでは、達成レベルのモノサシを全て業績評価指標として数値化をしていく。このことによって、目標認識の共通化が図れ、それぞれの目標が今どのレベルにあるのかが分かり、チェック&コントロールがしやすくなる。また、このしくみが定着することによって、経営戦略と目標管理、人事評価制度との連繋を図ることができる。
 以前から、評価目標をなんとか定量化できないかと考えていた社長にとって正にピッタリのツールであった。

まだ、活用してから半年しか経過していないが、「これは使える!」と実感されたようである。鋭い経営感覚をお持ちの社長の言葉であり、どうやらこの会社にとって有益な手法であったのは間違いなさそうだ。